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2011年2月 5日 (土)

世界中に日本から豆まき!『福は内!』

世界中に日本から豆まき!『福は内!』
室礼『節分・立春』photo 橘

2月3日、昨日は節分でした。豆まきはなさいましたか?「鬼は外、福は内」と東京は撒きますが、土地によっては「鬼は内、福は内」とも撒くようです。

しかしながら、大体鬼というのは悪者扱いですね。なんだか鬼もかわいそうです。

私は、なにか優しい鬼の話はないかと考え、『泣いた赤おに』の話を思い出しました。

六年前に、創作浄瑠璃を手がけていた時、節分にこの話を浄瑠璃に書き下ろしました。
『友(とも)情け泣いた赤おに物語り』です。

これは浜田広介さんの童話ですから、著作権の問題があり残念ながら発表する事はできないと思いました。
そんなある日、劇場で友人に会いました。

「最近は何をしているの?」と聞かれ、「創作浄瑠璃なるものを作っています。土地に伝わる昔話や民話で、しだいに語られなくなっている話を浄瑠璃に書き下ろしているの」と話しました。
「ちょうど、泣いた赤おにを書いたのだけれども、著作権があるから発表できないけど(笑)」と私。
すると、「泣いた赤おにって誰の著作だっけ?」と「浜田広介さんです」「だよねっ!僕、浜田広介さんのお孫さんと友達だよ。紹介するよ!」と…。
それから間もなく、2月の終わり頃だったでしょうか…浜田広介さんのお孫さんWさんにお引き合わせ下さいました

新宿中村屋でカレーをいただきながら閉店になるまで語り合いました。Wさんと私はとても気があって、5月には一緒に広介さんの故郷、山形に取材の旅に出掛けることになりました。

初夏の山形は緑が美しかったのを今でもはっきりと覚えています。
Wさんは山形には何年も行っていないということで久しぶりに、彼女のおじ様との再会もはたされました。
私は、手紙のやりとりだけだった山形の語り部のまこちゃんにも会うことができ、山形の民話の旅を満喫いたしました。

少し前に東京で出会った不思議なご縁の三人の女性も加わり賑やかな旅となりました。

浜田広介館に訪れ、館長さんたちにもお目にかかり、現在103歳の元館長さんにもお目にかかりました。 浜田広介さんの生まれ育った風土が感じられる暖かいおもてなしをいただきました。
そして、あらためて、夏の山形を背景にした『泣いた赤おに』を書き下ろしました。

著作権者である広介さんのお嬢さま、すなわちWさんのおば様にあたるRさまにもお引き合わせいただき、浄瑠璃の作品を聞いていただきました。

「父の作品が浄瑠璃という形で語られるのはうれしい」と発表を許していただきました。

このRさまとは、年に一度は歌舞伎かお能にご案内して一緒に観劇しています。

Rさまは、「父は殴るという表現はしない、そういう人でした。しかし、皆さん、赤おにが青おにを殴ったと書くので困っています。」とおっしゃっていました。

「広介全集」でさえ「殴った」と書いてありましたから、私もやはり殴ったと書いておりました。
広介さんご自身以上にお父上さまの思いを大切になさっているのが伝わって来ました。

私はさっそく「柱に額をうちつけた」と書き直しました。

著作権者の意図は大切にしなくてはならないと、同じく、ものを書く人間として感じ入るものがあります。

こんなエピソードがあってできた作品が『友情泣赤物語』でした。2005年夏に山形の高畠、浜田広介館で発表しました。開場には、近隣の小学校の子どもたちがたくさん来てくれて、広介館のホールはいっぱいになりました。

数年前から、素浄瑠璃の会、女性義太夫の会で、新しい義太夫の伝え方として語られています。

昨年、11月には、川越と須坂で、語り橘凜保、三味線、野澤松也で演奏会があり、『赤おに』を語りました。

さて、今日は立春。東京はとても暖かい一日でした。一陽来復、転じて『一陽来福』

写真は授業の教室での室礼です。

節分の豆と、パステルカラーのマカロンです。

季節の変わり目は邪気を払うための行事が催されます。
冬から春への祓いの行事が節分です。柊に鰯の頭をあしらった物を軒先に備えます。大豆を煎り、撒いた豆を拾い、年の数よりひとつ多くいただきます。

教室では豆撒きは致しませんが、室礼をして、心も軽やかに春を感じていただきます。

そろそろ、土の中でカンナの球根も大きくなって、春の訪れを待っていると思います。
今年も、カンナの株分けを皆さまどうぞよろしくお願いいたします。

今年はカンナ大使の皆さまが、次のバトン先を選んで平和のリレーをして下さいましたらうれしいです。

世界中に日本から『福は内!』

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